*

平賀朝雅の最期とは?鎌倉殿になれず畠山重忠の乱の原因にもなった人物

北条時政とりく(牧の方)の娘婿である平賀朝雅を取り上げます。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」での平賀朝雅役キャストは、山中崇さんが演じています。

ドラマでの平賀朝雅は、悪役風味のある描かれ方と山中崇さんの演じ方からか勝手に主人公の北条義時よりも年上なんだろうなぁと感じていましたが、なんと平賀朝雅が亡くなった年齢はまだ24歳の時でした。

そして、平賀朝雅が関係していた事件といえば、二つあります。「畠山重忠の乱」と「牧氏事件」です。今回は、その二つの事件を中心に紹介していきたいと思います。

平賀朝雅 北条時政とりくの娘婿

平賀朝雅は、源氏と深い関わりのある人物です。源頼朝の祖先は源義家(八幡太郎)であり平賀朝雅の祖先は源義光(新羅三郎)である事から源氏一門の出身でした。また、平賀朝雅の母は頼朝の乳母・比企尼の三女で、源頼朝の猶子にもなっていました。

そして、平賀朝雅の正室には北条時政とりくの娘がなっていて、頼朝亡き後の有力御家人2トップである北条氏と比企氏どちらとも親戚関係という難しい位置にいたようです。

北条氏と比企氏の対立が決定的となった比企能員の変では、前年に比企氏出身の母が亡くなった事もあり北条氏側に味方しました。

平賀朝雅と畠山重忠の乱

平賀朝雅は、1205年6月に起きた畠山重忠の乱のきっかけを作った人物でもあります。

事の発端は、前年11月に鎌倉幕府3代将軍・源実朝の御台所を迎える準備のため上洛中の畠山重保(畠山重忠の嫡男)と朝雅の間で口論がありました。

その後、朝雅が義理の母・牧の方に口論の件を告げ口して更に牧の方が北条時政に畠山親子が謀反を企ててると讒言しました。(吾妻鏡より)

そして、結局、畠山重忠は乱を起こして畠山氏は滅亡してしまいました。

これは、北条時政が武蔵国で大きな力を持つ御家人・畠山一族を陥れるための策略であり平賀朝雅は上手い事、利用されたというわけです。

この一件で、畠山重忠と仲が良く最後まで討伐に反対していた北条義時と父・北条時政の関係がより不穏なものになっていきました。

平賀朝雅と牧氏事件

北条義時・政子VS北条時政・牧の方の対立が決定的になった牧氏事件は、畠山重忠の乱が起きた1205年6月の翌月に起きました。

この事件でも平賀朝雅は、北条時政と牧の方に利用されてしまうのです。

1205年7月、北条時政と牧の方は源実朝を亡き者にして新しい鎌倉殿として平賀朝雅を擁立しようとしました。しかし、事はすぐに義時・政子にバレて時政は失脚してしまいます。

さすがに親子の縁があるからか時政と牧の方は、伊豆国に流されて処分は終わりましたが、平賀朝雅は京で討たれてしまいました。享年24歳で子はいなかったようです。

ちなみに平賀朝雅の正室だった北条時政と牧の方(りく)の娘は、夫亡き後に権中納言の藤原国通と再婚しています。牧の方は、時政が亡くなったあとこの娘夫婦がいる京に身を寄せて贅沢に暮らしたそうです。何だかなぁ~と思いますよね。

ドラマ上の描かれ方や畠山謀反の讒言などで平賀朝雅の印象ってとても悪いですよね。しかし、平賀朝雅は少し誤解されている面もあります。

年若く父や兄の跡を継いで武蔵守になったり鎌倉幕府の政変時には、反乱が起きて伊賀国と伊勢国の守護が逃亡したところを鎮圧成功させたりとなかなか有能な人物だったようです。また、あの後鳥羽上皇にも重用されていたと伝わります。

北条時政とりくの娘婿になったばかりにいいように利用されて後世の評価も下がってしまった面があるのかなぁと感じています。

ab

広告

関連記事

藤原道綱母 蜻蛉日記の作者は本朝三大美人の一人!道長の父・藤原兼家の妾妻

藤原道長の父である藤原兼家には、嫡妻である時姫以外にも当然の如く妻がいました。有名どころでは、「蜻蛉

記事を読む

茶屋四郎次郎 徳川家康の伊賀越えを助け信頼を得る!徳川家の御用商人になる

大河ドラマにおける茶屋四郎次郎は、幾度となく登場しています。 2023年のNHK大河ドラマ「ど

記事を読む

no image

鳥羽上皇

大河ドラマ「平清盛」で三上博史が演じている鳥羽上皇。 奥さんの璋子さん同様、一風変わった感じで・・

記事を読む

水野信元 清洲同盟の立役者だが最期は甥の徳川家康に処刑される運命!

徳川家康主人公の2023大河ドラマ「どうする家康」から登場人物を紹介しています。家臣の紹介が多かった

記事を読む

明智光秀の母 お牧の方は人質になり非業の最期を遂げたのは嘘!

大河ドラマ「麒麟がくる」いよいよ始まりましたね。 最初観た時、映像が鮮やかで衣装も何だか綺麗す

記事を読む

佐治一成 江

佐治一成 江 の最初の夫について。 江は、生涯で3度の結婚をする事になります。 戦国時代の政略結

記事を読む

織田信秀 ライバル・斎藤道三や息子・信長とは正反対の秩序ある武将

今日、紹介する大河ドラマ「麒麟がくる」の登場人物は、織田信長のお父さんである織田信秀です。 ド

記事を読む

三条西実澄から細川藤孝への古今伝授!三条西家の公家としての家格は?

大河ドラマで気になる人物を紹介しています。今日、取り上げるのは石橋蓮司が演じている公家の三条西実澄で

記事を読む

本多忠勝には正室・於久の方と側室・乙女の方がいる!娘・小松姫の母はどっち?

徳川家康の家臣団の中でも有名な武将と言えば、本多忠勝の名を挙げる方も多い事でしょう。本日は、徳川四天

記事を読む

摂津晴門 片岡鶴太郎が演じるインパクトある悪役は本当に悪い人?

久しぶりの更新になります。ここ2か月ほど、忙しくて大河ドラマを観る暇がなかったので、録画していたのを

記事を読む

ab

広告

ab

広告

藤原道長の妻 源明子は本来なら女王の身分!源倫子との格差が大きい

藤原道長には、嫡妻である源倫子のほかに妻がもう一人います。源明子と言っ

藤原実資とその妻・桐子の夫婦仲は?日記「小右記」は本当にあった

お笑いの「ロバート」秋山竜次が、大河ドラマ「光る君へ」で藤原実資を演じ

藤原義懐 大出世する花山天皇の叔父!ドラマとは乖離する人物像

大河ドラマ「光る君へ」で印象に残った人物として花山天皇の叔父にあたる藤

藤原公任は藤原道長よりも名門出身の御曹司!紫式部や清少納言とも交流あり

大河ドラマ「光る君へ」で、町田啓太が演じる藤原公任(ふじわらのきんとう

藤原道綱母 蜻蛉日記の作者は本朝三大美人の一人!道長の父・藤原兼家の妾妻

藤原道長の父である藤原兼家には、嫡妻である時姫以外にも当然の如く妻がい

→もっと見る

PAGE TOP ↑