斎藤義龍 父の斎藤道三と長良川の戦いで勝利!父殺しの汚名とともに
大河ドラマ「麒麟がくる」、明日(2020年5月10日)放送は「長良川の対決」です。
いよいよ美濃での斎藤道三と斎藤義龍、父子での戦が始まります。
長良川の戦いでは、斎藤道三の兵2700、対して斎藤義龍の兵は15,000とされています。圧倒的不利のまま斎藤道三は討たれるのですが、これにより斎藤義龍は「父殺し」の汚名を被る事になります。
今回は、「長良川の対決」でのもう片方の主役である斎藤義龍という人物をクローズアップしたいと思います。
そういえば、存在感半端なかった本木雅弘の斎藤道三もそろそろ見納めなんですね。斎藤義龍も早世してしまうので伊藤英明もすでにクランクアップしているとか。後半の大河ドラマも楽しみですが、何だかさびしい気持ちになりますね。
斎藤義龍の生涯について
大河ドラマ「麒麟がくる」では、斎藤義龍ではなく斎藤高政と呼ばれていますが、斎藤義龍という名前の方がよく使われているので義龍で書いていきますね。
斎藤義龍(さいとうよしたつ)は、美濃の斎藤道三と側室の深芳野の間に1527年に誕生しました。道三にとっては、初子になります。
深芳野を紹介した記事でも書きましたが、深芳野は美濃国の守護大名だった土岐頼芸の愛妾で、斎藤道三に譲られて側室になりました。深芳野は懐妊したまま道三のもとに来たという説があり義龍の本当の父親は土岐頼芸だと囁かれていました。
自分の出生の秘密など疑心暗鬼のまま斎藤義龍は成長していき、1554年に道三から斎藤家の家督を譲られます。
しかし家督を円満に譲られたわけではなく、斎藤道三の政治に不満を持っていた家臣たちが強引に道三を隠居させて義龍に家督を継がせたとされています。
斎藤道三は、斎藤義龍を嫌ってその下の息子たち(孫四郎、喜平次)をとても可愛がっていました。そして、家督の座を孫四郎にと願い喜平次には名門・一色氏を名乗らせた事から道三と義龍の関係は険悪なものとなりました。
斎藤義龍は、家督をとられると思い孫四郎と喜平次を殺害します。(義龍の弟殺害方法、織田信長が自身の弟を殺害する時に参考にしたような気がする。)
溺愛していた孫四郎と喜平次が殺されたと知った斎藤道三は、すぐに大桑城に逃げて義龍と一戦交える決意をします。
そして、1556年の長良川の戦いへと続きます。
この戦いで義龍が勝利して道三は討ち死にしますが、義龍は道三が亡くなって5年後の1561年に病でこの世を去ります。33才の若さでした。
斎藤義龍 本当に愚か者だったのか?
斎藤義龍は、父の道三からは「愚か者」と蔑ろにされていました。一方、弟の孫四郎と喜平次は「利口者」と溺愛されていましたが、本当に義龍は愚か者だったのか?
斎藤義龍は、父殺しのレッテルを貼られていて「信長の野望」でもすぐに信長に殺されてしまうダメ武将の扱いですが、史実の義龍はなかなか有能な武将であったと思います。
長良川の戦いで父・道三と決戦をする時に義龍側についた国衆の数や信長が義龍がいた時には美濃を獲ることが出来ませんでした。
又、道三自身も最期に義龍の采配をみて今までの評価を悔い改めたと伝わります。
まぁ、でも道三は美濃の国を娘婿である織田信長に譲る旨の遺言状をしたためているので、よほど息子の義龍だけは忌み嫌っていたのでしょうね。
美濃の国は、義龍が亡くなると息子の龍興が継ぎますが、あっという間に信長に攻略されてしまいます。・・・息子の斎藤龍興こそ愚か者なんですけどね。
長良川の戦い後の武将たちはどうなる?
長良川の戦い後、斎藤道三に味方した明智光秀は越前に逃げて浪人生活を送ることになります。
また、斎藤龍興の末の弟である斎藤利治(母は小見の方で帰蝶とは同腹)は、姉を頼って尾張の織田家に逃げます。
斎藤道三がしたためた美濃国譲り状も斎藤利治が直接、信長に渡したと伝わりますね。
斎藤利治は、1541年頃に生まれたので、長良川の戦い時の年齢は15才です。まだ元服もしていなかったそうです。
利治は、できる武将だったらしく織田家の重臣になり信長やその息子の信忠の傍に仕えていましたが、本能寺の変でともに討死しました。
斎藤義龍がもう少し長生き出来たらもしくは斎藤利治が家督を継いでいたらどうなっていたのかと考えてしまいますね。
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