源頼家の正室はどちら?若狭局(せつ)と辻殿(つつじ)は御台所にならず
鎌倉幕府の2代将軍、源頼家の正室というか御台所は一体誰なのか?
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に登場してくる源頼家の妻は、二人います。一人が比企能員の娘 せつ。もう一人が賀茂重長の娘 つつじです。
「せつ」と「つつじ」という名前は、おそらく創作上のものだと思われますので、ここでは史実通りの若狭局(せつ)と辻殿(つつじ)で呼びたいと思います。
若狭局 比企能員の娘せつ
源頼家の妻として、まずは長男の一幡を産んだとされる比企能員の娘・若狭局を紹介していきたいと思います。
若狭局は、何年生まれかは不明ですが、源頼家が17歳時の1198年に一幡を産みました。源頼家の長子であり源頼朝・北条政子にとっても初孫に当たりますね。
ただ、この母子は順風満帆とは言えず・・・頼朝の死や頼家の病などで比企氏と北条氏が権力争いの末に対立してしまいます。若狭局の父・比企能員が北条時政に討たれた事により若狭局と一幡は1203年に自害または殺害されています。
辻殿 賀茂重長の娘つつじ
次に賀茂重長の娘・辻殿を紹介しますね。
辻殿は、三河源氏出身の賀茂重長と源為朝(頼朝の叔父)の娘との間に生まれた女性です。両親揃って源氏という事で家柄は若狭局よりも格段上なので辻殿が正室ではないかと言われています。
辻殿がいつ源頼家に嫁いだのかは不明ですが、頼家の次男・公暁を産んだのは1200年です。この時すでに頼朝が亡くなり頼家が将軍職を継いでいました。
この公暁は、有名ですね。鶴岡八幡宮のイチョウの木に隠れて「親の仇」と3代将軍の源実朝を暗殺したあの公暁です。その母が辻殿になります。
辻殿は、1210年に出家しています。その9年後に起こった実子による源実朝暗殺事件の際は存命だったのかは分かっていません。
源頼家の正室は若狭局と辻殿どちら?
源頼家の妻は、若狭局と辻殿以外にも一品房昌寛の娘や源義仲の娘など他にもいます。ただ、正室は不明となっています。
正室に近い扱いを受けていたのが、若狭局と辻殿になります。
「吾妻鏡」では、若狭局が妾で辻殿が正室となっています。その根拠として辻殿の家柄が良い点が挙げられます。
しかし、若狭局が産んだ一幡は嫡子同様の扱いを受けていたので若狭局が正室だったのではないかという見方もあるようです。
また、辻殿は頼家や若狭局が相次いで亡くなったことで家をまとめる立場になり頼家の正室として格上げになったのではとも言われています。
まぁどちらにしても源頼家の正室ははっきりと決まっていなかったのだと思います。
そして、源頼家の子供たちは最期が悲惨(特に男子)で結局は頼朝・政子夫妻の血筋は完全に絶たれてしまいました。
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