*

平宗盛の最期とは?平清盛の後継者で父と正反対の性格で家族思い!

今回は、平清盛の後継者である平宗盛(たいらのむねもり)を紹介していきます。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、小泉孝太郎が演じています。

ドラマでは、壇ノ浦で死にきれなかった平宗盛が、息子の平清宗と一緒に鎌倉に連行されていきました。その後の平宗盛がどうなったのかとても気になりました。

そしてドラマの中で子を思う父の姿を垣間見ることが出来ましたが、実際の宗盛は本当に家族思いの人物だったのでしょうか?

平宗盛 平清盛の後継者として

平宗盛は、平清盛と後妻の平時子の間に出来た長男でした。妹に安徳天皇の生母である建礼門院徳子がいます。

平清盛には、すでに嫡男として前妻との間にできた平重盛がいました。平宗盛にとっては義理の兄にあたる重盛でしたが、その年の差は10歳もありました。

平清盛の後継者としては、やはり最初は平重盛がその座を継ぎました。しかし、母方の実家の力関係もあり平宗盛の方が優位になってきます。

母・平時子には、腹違いの妹で後白河上皇の寵愛深い建春門院(平滋子)がいて、平宗盛は叔母にあたる建春門院の猶子として大きな後ろ盾を持っていました。

やがて、兄・重盛が失脚すると宗盛が父・平清盛の後継者となります。そして、重盛と清盛が相次いで亡くなると名実ともに宗盛が平氏の棟梁となりました。

平宗盛の最期について

栄華を誇った平家ですが、平宗盛が平氏一門を率いたときには、源頼朝や木曽義仲が平氏討伐を掲げ源平合戦が始まろうとしていました。

勢いに乗る源氏に成すすべがなく平宗盛が率いる平氏一門は、都落ちします。さらに一ノ谷の戦いで敗戦をして壇ノ浦の戦いでついに平氏は滅亡してしまいます。

安徳天皇を抱いた平時子をはじめ一族が入水する中で、棟梁の平宗盛はなんと死にきれずに泳いでいたところを源氏側に引き上げられて捕虜になってしまいます。

・・・情けないというか何というか。

父・清盛が生きていたら喝を入れられそうですね。

さらに、平宗盛と全く同じで嫡男の平清宗も死にきれず捕虜となっています。平宗盛・清宗の親子は、浄衣姿のまま御簾をあげた車に乗せられて帰京したそうです。その時、たくさんの見物人がいたと伝わります。

その後、源頼朝に引き合わすために源義経に護送されて鎌倉に向かいます。鎌倉では、頼朝が御簾の中から出ずに宗盛を眺めているだけだったとか。この場面はドラマとほぼ同じですね。

しかし、ドラマと違う点があります。それは、「吾妻鏡」「平家物語」によると宗盛は懸命に頼朝に助命をお願いして、その姿をみた周囲の者たちはみな嘲笑っていたそうです。

勿論、宗盛の助命など聞き入れて貰えるはずがなく宗盛と清宗は、近江の篠原宿というところで処刑されました。

平宗盛は武士としては異例の家族思い

平宗盛は、父・平清盛や兄・平重盛と比べられることが多く武人としての評価がとても低いとされています。

「吾妻鏡」での平宗盛は、鎌倉に護送される際は泣いてばかりいたとか頼朝に対面した際も本当に平清盛の息子なのかと呆れられたとの事です。

そんな平宗盛でも唯一(?)清盛よりも勝っているものがあります。それは、とても愛妻家であり子煩悩な家族思いの人間だからです。

平宗盛の家族思いエピソードを紹介しておきます。

妹の建礼門院徳子が懐妊したことで宗盛の妻が乳母になりました。しかし、妻は3か月もしないうちに病気で亡くなってしまいます。妻の死を悲しんで右大将という高い身分を突然辞任してしまいます。長らく仕事ができないほどだったと言います。

さらに次に迎えた妻も出産時に亡くなってしまいます。その妻が命がけで産んだ次男の平能宗は、乳母に預けず宗盛がつきっきりで育てた子でした。ドラマでも描かれた義経に最期に会わせて欲しいと頼み込んだ子は、清宗ではなくまだ幼い能宗でした。能宗は宗盛や清宗よりも先に処刑されています。

また、宗盛が処刑される直前につぶやいた言葉、いわゆる最期の言葉は「清宗もすでに亡くなったのか」でした。最期まで息子を気に掛けていたのですね。

平宗盛は、生きた時代が間違っていたのでしょうね。現代なら家族思いで良い人のイメージですが、鎌倉時代なら愚かな人間になってしまいますからね。

ab

広告

関連記事

織田信秀 ライバル・斎藤道三や息子・信長とは正反対の秩序ある武将

今日、紹介する大河ドラマ「麒麟がくる」の登場人物は、織田信長のお父さんである織田信秀です。 ド

記事を読む

阿波局 北条政子と北条義時の妹を演じるのは宮澤エマ

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の登場人物、今回は宮澤エマ演じる実衣を紹介していきたいと思います。

記事を読む

渋沢栄一は何した人なのか?嫁・千代以外にも妾がいて女好き!

NHKの大河ドラマ「青天を衝け」が2月14日からスタートしたわけですが、登場人物を全然紹介していなか

記事を読む

お市の方

今回、取り上げるのはヒロインの江の母である、お市の方です。 お市の方は、「戦国一の美女」など美貌に

記事を読む

徳川家康について

徳川家康について エピソードをご紹介します。 お江の後の義父になる徳川家康について、色々と調べてみ

記事を読む

本多正信 三河一向一揆で徳川家康から出奔したが許される!

過去にNHK大河ドラマで数々の俳優が演じている本多正信ですが、今回の「どうする家康」では松山ケンイチ

記事を読む

織田信長の男色

江に関係する人物という事で、今回は織田信長について書いてみたいと思います。とは言ったものの織田信長は

記事を読む

朝倉義景の息子たち 溺愛した阿君丸と愛王丸!そして朝倉信景

大河ドラマ「麒麟がくる」では、2、3話前のストーリーだったかと思いますが、朝倉義景が嫡男だった阿君丸

記事を読む

織田信雄 「どうする家康」では浜野謙太が演じる信長の次男!

3か月ぶりの更新となってしまいました。仕事が忙しくて大河ドラマ自体も観れていないという・・・。なので

記事を読む

朝倉義景 織田信長に徹底マークされて滅んだ越前の守護大名

大河ドラマ「麒麟がくる」の越前編がスタートしましたね。新しい登場人物として、主人公の明智光秀が落ち延

記事を読む

ab

広告

ab

広告

藤原定子 夫・一条天皇に寵愛されたが実家の没落に見舞われた悲運の皇后

母の高階貴子や清少納言は取り上げたのですが、肝心の藤原定子を取り上げて

藤原宣孝 紫式部の夫で歳の差20歳以上?結婚生活は約3年で死別する

紫式部は、源氏物語という名作を世に出しましたが、当の本人は清少納言や和

清少納言と紫式部は犬猿の仲!?2度の結婚と藤原定子への宮仕え

紫式部のライバルとして名高い清少納言を取り上げます。 大河ドラマ

藤原道長の妻 源明子は本来なら女王の身分!源倫子との格差が大きい

藤原道長には、嫡妻である源倫子のほかに妻がもう一人います。源明子と言っ

藤原実資とその妻・桐子の夫婦仲は?日記「小右記」は本当にあった

お笑いの「ロバート」秋山竜次が、大河ドラマ「光る君へ」で藤原実資を演じ

→もっと見る

PAGE TOP ↑