赤染衛門 凰稀かなめ演じる女流歌人!紫式部や和泉式部との仲は?
藤原道長の妻・源倫子に仕えていた赤染衛門を取り上げます。読み方は「あかぞめえもん」です。大河ドラマ「光る君へ」では、元宝塚歌劇団の男役トップスターだった凰稀かなめが演じていた役が、赤染衛門になります。
赤染衛門は、源倫子に仕えたあとはその娘である一条天皇中宮・藤原彰子にも仕えました。平安時代を代表する女流歌人である赤染衛門はどんな人生を歩んだのでしょうか?
赤染衛門について
赤染衛門は、956年(天暦10年)に地方官長だった赤染時用の娘として誕生しました。ただ、実父は平兼盛とも伝わります。赤染衛門の母は、赤染時用と再婚する前に平兼盛の妻でした。平兼盛の子を宿したまま赤染時用と結婚した説があるようです。
赤染衛門の結婚は、20歳を過ぎたあたりです。結婚相手は、文章博士で当代一の学者と謡われた大江匡衡になります。赤染衛門と大江匡衡の夫婦仲はとても良くまさにおしどり夫婦でした。藤原道長・彰子の父娘には「匡衡衛門」と呼ばれていました。
この夫婦は子供にも恵まれたわけですが、子孫に大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でおなじみだった鎌倉幕府の初代別当・大江広元がいます。
赤染衛門と紫式部
赤染衛門と紫式部は、二人とも藤原彰子に仕えていました。
同じ主人に仕えているので当然の如く親交があったわけですが、割とライバルとなりうる女流歌人をけなす傾向のある(!)紫式部は「紫式部日記」をみる限り赤染衛門に対して好印象を持っていた感じに見受けられます。
また、赤染衛門は紫式部だけでなく和泉式部や清少納言とも親交があったようです。和泉式部に関しては彼女の奔放な恋愛を心配したりと親しい間柄でした。
女流歌人としての赤染衛門
赤染衛門は、和泉式部と並び称される女流歌人であり才女でした。中古三十六歌仙や女房三十六歌仙にも選ばれています。
又、藤原道長の栄華を描いた作品として知られる「栄花物語」の筆者は赤染衛門であることが有力視されています。
沢山の素晴らしい和歌を残している赤染衛門の代表的な作品をいくつか紹介します。
赤染衛門の和歌(小倉百人一首)
「やすらはで 寝なましものを さ夜ふけて かたぶくまでの 月を見しかな」
赤染衛門が、姉妹のために代作した和歌です。姉妹の想い人である藤原道隆が訪れなくなったために詠んだ歌とされています。
「代はらむと 祈る命は をしからで さてもわかれむことぞ悲しき」
赤染衛門は息子の病気祈願として住吉神社に奉納した和歌です。子の病気が治り良妻賢母と呼ばれる赤染衛門を現した歌でもあります。
「行く人も とまるもいかに 思ふらん 別れて後の またの別れを」
和泉式部の夫が遠い赴任先に旅立ったことを知った赤染衛門が、和泉式部の心痛を思い気遣った歌とされています。
赤染衛門は、本当に沢山の和歌を詠んでいて歌会なども積極的に行いました。
彼女は、夫の大江匡衡が1012年(長和元年)に亡くなったあとも長生きしました。1041年(長久2年)に歌を詠んで以降の消息は不明なので、少なくとも85歳以上は生きたことになりますね。
ab
関連記事
-
阿茶局 徳川家康の側室
阿茶局 徳川家康の側室。 大河ドラマ「江」第42話に登場した阿茶局について紹介。 阿茶局は、大坂
-
大河ドラマ「どうする家康」で今川義元を演じるのは野村萬斎!桶狭間の戦いでの最期とは?
松本潤主演の2023年大河ドラマ「どうする家康」が、満を期してスタートしました。 初回を見た限
-
織田信勝 信長の弟で母・土田御前の溺愛による非業の死
俳優の木村了が演じる織田信長の弟・織田信勝を取り上げます。 いや~、前回、信長が自分の地位を脅
-
源義朝の常盤御前以外の側室
源頼朝・義経の父親である源義朝は、正室に由良御前と側室に常盤御前がいました。ドラマでもその二人しか登
-
牧の方 りくという名前で登場する北条時政の後妻
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ですが、今回登場する人物は宮沢りえが演じている北条時政の後妻・りく にな
-
藤原道綱母 蜻蛉日記の作者は本朝三大美人の一人!道長の父・藤原兼家の妾妻
藤原道長の父である藤原兼家には、嫡妻である時姫以外にも当然の如く妻がいました。有名どころでは、「蜻蛉
-
朝倉義景の息子たち 溺愛した阿君丸と愛王丸!そして朝倉信景
大河ドラマ「麒麟がくる」では、2、3話前のストーリーだったかと思いますが、朝倉義景が嫡男だった阿君丸
-
織田信雄 「どうする家康」では浜野謙太が演じる信長の次男!
3か月ぶりの更新となってしまいました。仕事が忙しくて大河ドラマ自体も観れていないという・・・。なので
-
家光の側室 お万の方
新ドラマの「大奥 誕生~有功・家光篇」が始まりましたが、映画「大奥」と同様に男女逆転のお話です。主人