摂津晴門 片岡鶴太郎が演じるインパクトある悪役は本当に悪い人?
久しぶりの更新になります。ここ2か月ほど、忙しくて大河ドラマを観る暇がなかったので、録画していたのを一気に6話?7話ほど視聴してみました。
室町幕府の13代将軍、足利義輝が三好一族に殺害された後、僧として生きてきた足利義昭が15代将軍になるまでのあらすじですね。
新しく登場した人物の中で、非常にインパクトが強いのが摂津晴門(せっつはるかど)です。摂津晴門というより片岡鶴太郎の演技や顔芸が半沢のようで印象に残ったのかもしれません。
摂津晴門は悪人なのか?
片岡鶴太郎の演じる摂津晴門を観ているとどんだけ凄い悪人なんだろうと思い、興味を持ったので摂津晴門について調べてみました。
「麒麟がくる」の公式ホームページでも片岡鶴太郎曰く、ドラマの登場人物の中で一番の悪役とありましたので期待大!
しかし、調べてみると・・・全然、悪人じゃない!?
摂津晴門の生涯について調べた結果を簡単にまとめてみました。
摂津晴門の生涯について
摂津晴門は、室町幕府の13代・義輝と15代・義昭の時代に政所執事をしていました。どんな役職かというと、幕府の事務方トップですね。
室町幕府の政所執事は、幕府内での権力が大きく摂津晴門の前は伊勢家が独占していた職でした。しかし、三好一族や時の将軍、義輝と近かった摂津晴門がこの職を与えられました。なかなかの出世ですよね。
政所執事にまで上りつめた摂津晴門ですが、もともとは鎌倉幕府や室町幕府に仕える中原氏の一族出身でした。摂津と名乗ったのは、摂津守に任じられてからです。
摂津晴門は、摂津元造の子として誕生しました。父の元造は12代将軍・足利義晴に仕えていて官途奉行や地方頭人、神宮方頭人などを務めていました。晴門は、父が亡くなったあとにこれらの職を受け継いだようです。
そして、父の死から2年後に摂津晴門は政所執事の職に就きます。前任は、この職を独占してきた伊勢氏出身の伊勢貞孝でした。伊勢貞孝は足利義輝と対立して失脚。
しかし、摂津晴門が政所執事の職に就いた翌年、永禄の変が起きます。
永禄の変では、将軍・義輝だけでなく摂津晴門の嫡男である糸千代丸も討死してしまいます。実は、摂津晴門の子は、13才で非業の死を迎えた糸千代丸だけだったので、摂津晴門が亡くなると摂津家の嫡流は断絶してしまうんですよね。
摂津晴門は、永禄の変でお咎めがなかったようで所領などは安堵されたようです。
その後、三好一族が推す足利義栄が14代将軍となり、伊勢貞為(伊勢貞孝の孫)が出仕することを認めた義栄に反感を持ち足利義昭側に仕えるようになりました。
そして、15代将軍となった足利義昭のもとで再び、政所執事に起用されます。
しかし、摂津晴門は政所執事を3年ほどで退いています。義昭の怒りを買ったという説や幕府内を織田信長がいいように動かすために退かせたという説があります。
摂津晴門の後任には、わずか7才の伊勢貞興(伊勢貞孝の孫)が政所執事になっています。勿論、執務を取れるわけがなく信長やその側近たちが代行していたそうです。
ちなみに伊勢貞興はとても優秀な人物で、のちに明智光秀の家臣になりました。光秀の信頼厚き重臣で、最期も光秀のために戦死しました。伊勢貞興も「麒麟がくる」に登場すると思うので誰が演じるのか楽しみですね。
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