*

朝倉義景 織田信長に徹底マークされて滅んだ越前の守護大名

大河ドラマ「麒麟がくる」の越前編がスタートしましたね。新しい登場人物として、主人公の明智光秀が落ち延びた越前の守護大名、朝倉義景がいます。

朝倉義景役は、ユースケ・サンタマリアです。演じている本人も語るように朝倉義景は、つかみどころがない印象ですね。

新たな登場人物にワクワクしながら朝倉義景とはどんな人物なのか調べてみましたよ。

朝倉義景の生涯について

朝倉義景

朝倉義景は、越前国の守護大名である朝倉孝景の嫡男として生まれました。

と言うか、朝倉孝景の子供って義景ただ一人だったらしい。織田信長や伊達政宗のように兄弟間の家督争いがなくて良かったのかもしれませんが、ただ一人の実子というのは大名家としてはかなり危ういですね。

朝倉義景は、父・孝景が亡くなると16才という若さで家督を継ぎます。

そういえば、義景という名前ですが、当時の将軍である足利義輝から「義」という字を与えられ幕府からも重きを得ていたようです。

越前の朝倉義景のもとには、「麒麟がくる」の主人公である明智光秀の他にも義輝殺害後に将軍となる15代の足利義昭も頼って来ていますね。

足利義昭は、当時将軍だった足利義輝が暗殺されると自分も幽閉されてしまいました。そんな時に、手を貸してくれたのが朝倉義景だったのです。

足利義昭と朝倉義景の関係は、義昭が越前にいた最初の頃はよかったのですが、義昭が将軍職に就くため諸大名たちに上洛を促した頃から関係が悪化します。

上洛は、朝倉義景に限らず他の大名たちも自分の領地不安から難しい問題でした。ですが、足利義昭は義景を見限って勢いに乗っていた織田信長を頼ることにします。

こうして将軍・足利義昭と朝倉義景の関係にヒビが入ってしまうのですね。とは言いながらも義景にはお世話になったという事で越前から去る時に義昭は滞在中のお礼を兼ねた御内書を残していったようです。

・・・多分、朝倉義景ってお人好しというか性格的には良い人なんだと思う。

朝倉義景vs織田信長

足利義昭が織田信長を頼って出ていった後ですが、信長はこれをチャンスだとばかりに将軍となった足利義昭のもとに義景は上洛をせよと2度ほど命令を出します。

しかし、義景は結果的に信長の下につくことを嫌い、領地を留守にすることもできなかったため将軍の命令であっても拒否します。

信長は、絶対に義景が拒否すると分かっていたのでしょう。これで義景を攻める口実が出来ました。これが、後々の織田・徳川連合軍vs朝倉・浅井連合軍の姉川の戦いにつながっていきます。

姉川の戦いの結果は、朝倉・浅井連合軍が敗北しました。

その後も度々、信長と戦った朝倉義景ですが、段々と追い詰められていくのですね。信長の悪名高き比叡山の焼き討ちもこの時に起こりました。志賀の陣で、義景が比叡山に立てこもりそのまま庇ったので協力しなかった比叡山に信長が激怒したためです。

朝倉義景と織田信長の戦いは、やがて一乗谷城の戦いを経ていとこの朝倉景鏡の裏切りもあり義景自害という形で幕を閉じます。

朝倉義景は、享年41才だったと伝わります。

信長との戦で、疲弊した朝倉家を見限って家臣たちも次々と離反していったんですね。この辺りは、甲州征伐の武田勝頼と似ていますよね。

朝倉義景とその家族たち

麒麟がくる

大河ドラマ「麒麟がくる」で、朝倉義景と伊呂波太夫がしきりに近衛家出身の正室について「子ができない」等々語っている場面がありましたね。

朝倉義景の正室(継室)は、関白・近衛稙家の娘でしたので公家の超・名門家の出身です。彼女の姉妹には、将軍御台所がいます。

近衛家出身のこの正室についてはとても美人であったが子供が生まれなかったために実家に帰されたそうです。

そして、義景の妻と言えば、側室の小少将という女性が有名です。

彼女が側室になったいきさつは、朝倉義景が嫡男を7才で亡くした後に失意の日々を送っていたのを心配した家臣が、子供を産んでくれそうな若く美しい娘をいう事で小少将が選ばれたのでした。

小少将はすぐに愛王丸を産みます。義景は、政も小少将にまかせるほど彼女を寵愛するようになります。一説には、朝倉家が滅亡したのは小少将が原因だと伝わります。姉川の戦いでも小少将を愛するあまり一乗谷に引き籠ったとまで伝わります。

小少将は、大河ドラマに登場しますかね?

そんな小少将ですが、最期は虚しく裏切り者の朝倉景鏡に捕らえられて丹羽長秀によって愛王丸と一緒に処刑されてしまいます。

朝倉義景は暗愚ではない?

私的には、越前という要となる国を欲しがった織田信長が、人の良さそうな朝倉義景を徹底マークして陥れたという感じなのですが・・・。

義景が治めていた越前は、当時の周辺国と比べるととても豊かで安定していたと言います。さらに、越前を訪れた人々は義景を高く評価して聖人君子だと褒めているのです。

ただ、子宝に恵まれず悪女に捕まり魔王さまに目をつけられたのが運の尽きでした。

朝倉義景の死後に浅井久政・長政親子とともにその首級を織田信長によって箔濃にされたのは有名ですね。杯にドクロを飾り信長家臣たちに披露しました。

朝倉義景や浅井氏との絆について興味ある方はコチラ↓

奪うは我なり 朝倉義景

<織田信長と戦国時代>なぜ好機を逃したのか?朝倉・浅井の限界

ab

広告

関連記事

服部正成 服部半蔵の2代目!徳川家康に忠義を尽くす

徳川家康と言えば、忍者を支配下にしていたことは有名です。その忍者の中で最も知名度があるのが服部半蔵で

記事を読む

和田義盛 鎌倉殿の13人のひとりで初代侍所別当!巴御前が側室なのは本当?

鎌倉幕府の十三人の合議制に連なる御家人・和田義盛(わだよしもり)とはどんな人物だったのかを紹介してい

記事を読む

榊原康政 徳川家康のお気に入りで豊臣秀吉を怒らせた徳川四天王のひとり

徳川家康の家臣であった榊原康政は、大河ドラマに何度も登場している人物です。 今年の大河ドラマ「

記事を読む

徳川家光 竹千代

徳川家光 竹千代 について。 大河ドラマ「江」の登場人物を紹介しています。 今回登場するのは、江

記事を読む

源義経の正室 郷御前は静御前と対立!?夫と共に平泉に逃れて悲劇の最期

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、源義経が無尽の活躍をみせて平氏がいよいよ追い込まれていきます。

記事を読む

no image

安徳天皇の伝説

平清盛が溺愛したといわれる孫の安徳天皇について取り上げてみたいと思います。私の安徳天皇のイメージは、

記事を読む

阿茶局 徳川家康の側室

阿茶局 徳川家康の側室。 大河ドラマ「江」第42話に登場した阿茶局について紹介。 阿茶局は、大坂

記事を読む

織田信忠 松姫

織田信忠 松姫 について。 大河ドラマ「江」で、父・織田信長と同じく京の二条御所で討たれた 信長

記事を読む

豊臣秀長 秀吉のできる弟!秀長が長生きしていたら歴史は変わった?

大河ドラマの登場人物の中で意外な人がまだ紹介していませんでした。今回はその中の一人でもある豊臣秀長を

記事を読む

no image

鳥羽上皇

大河ドラマ「平清盛」で三上博史が演じている鳥羽上皇。 奥さんの璋子さん同様、一風変わった感じで・・

記事を読む

ab

広告

ab

広告

藤原道長の妻 源明子は本来なら女王の身分!源倫子との格差が大きい

藤原道長には、嫡妻である源倫子のほかに妻がもう一人います。源明子と言っ

藤原実資とその妻・桐子の夫婦仲は?日記「小右記」は本当にあった

お笑いの「ロバート」秋山竜次が、大河ドラマ「光る君へ」で藤原実資を演じ

藤原義懐 大出世する花山天皇の叔父!ドラマとは乖離する人物像

大河ドラマ「光る君へ」で印象に残った人物として花山天皇の叔父にあたる藤

藤原公任は藤原道長よりも名門出身の御曹司!紫式部や清少納言とも交流あり

大河ドラマ「光る君へ」で、町田啓太が演じる藤原公任(ふじわらのきんとう

藤原道綱母 蜻蛉日記の作者は本朝三大美人の一人!道長の父・藤原兼家の妾妻

藤原道長の父である藤原兼家には、嫡妻である時姫以外にも当然の如く妻がい

→もっと見る

PAGE TOP ↑