上総介広常の最期は源頼朝に裏切られる?
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、佐藤浩市が演じる上総介広常を今回は取り上げたいと思います。
坂東武士の中で最も勢力があり兵を持っていたとされる上総介広常。ドラマの中の上総介もその兵力の高さから傍若無人な様子を描かれる一面がありますね。
実際の上総介広常はどんな人物だったのでしょうか?
上総介広常とは?
まず、その名前から・・・。上総介広常と呼ばれる事が多いですが、正式な名前は平広常と言います。そして、上総介と言うのは、官位であります。
広常は、父・平常澄の8男でしたが嫡男として育ちます。上総国の惣領家であり頭首として2万の兵を持っていたとされます。なのでドラマで描かれていた通り源頼朝がどうしても味方にしたかった人物でした。
上総介広常は、もともと頼朝の父・源義朝に属していましたが、平治の乱で源氏が敗けると自分の領地にすぐに戻り何とか難を逃れます。その後、一応は平氏が従いますが、自分の兄たちとの家督争いに明け暮れてしまいます。
また、上総介の職を平家側の伊藤忠清が任せられたことにより平家と決別。その事もあり源頼朝の挙兵への仲間入りをしたとも伝わります。
上総介広常 源頼朝の挙兵参陣に遅れる
さて、大河ドラマでも描かれていましたが、源頼朝の挙兵に中々、参陣しようとしない上総介広常。やっと2万もの大軍を引き連れて源頼朝の元に参陣しますが、頼朝は「遅い」と言って上総介広常を咎めます。
上総介広常は、源頼朝が自分が引き連れてきた大軍をみて喜ぶと思ったらまさか咎められるとは思っていなかったので頼朝の器の大きさを感じたという。
その後は、源頼朝のもとで活躍をしていきます。
富士川の戦い、金砂城の戦いなどで功をあげていく上総介広常でしたが、源頼朝にとって上総介広常は脅威そのものだったので最期は悲惨な事になります。
上総介広常の最期とは?
上総介広常は、1183年12月に梶原景時と双六をしている最中に殺されてしまいます。これは、源頼朝が梶原景時の讒言(上総介広常が謀反を企てた)をうけて暗殺を命じたからです。
ですが、上総介広常は謀反など企てておらず反対に頼朝の武運を祈る願文がみつかり頼朝は深く後悔したと言います。とは言ってもやはり頼朝からしたら上総介広常は脅威だったと思いますが・・・。
上総介広常が殺害されたあと広常の嫡男である上総能常は自害。上総介広常が治めていた広大な領地は千葉氏や三浦氏に与えられました。
そういえば、大河ドラマの金砂城の戦いの場面で殺される佐竹氏が上総介広常に向かって「おまえも(頼朝に)気を付けろよ」と言われていましたね。それが上総介広常の今後を思わす伏線になっていたようです。
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