榊原康政 徳川家康のお気に入りで豊臣秀吉を怒らせた徳川四天王のひとり
徳川家康の家臣であった榊原康政は、大河ドラマに何度も登場している人物です。
今年の大河ドラマ「どうする家康」での榊原康政役は、杉野遥亮が演じています。同様に大河ドラマ「おんな城主 直虎」では尾美としのりが演じていて、「軍師官兵衛」と「天地人」ではそれぞれ中村育二と川野太郎が演じています。
その他、榊原康政を扱った作品として、「榊原康政―家康を支えた知勇兼備の武将」や「徳川四天王榊原康政」で詳しく解説されています。
それでは、徳川四天王・徳川十六神将・徳川三傑に数えられている榊原康政という武将の一生を簡潔にまとめてみましたのでご紹介したいと思います。
榊原康政のプロフィール
榊原康政は、詳細な生誕時を記す資料が残されていません。ただ、天文17年(1548年)生まれだという事がわかっています。
その代わり死没日だけは詳細が分かっていて慶長3年5月14日(1606年6月19日)に亡くなったとされています。なので60才前に亡くなったという事になりますね。
榊原康政は、三河国上野郷(現在の愛知県豊田市上郷町)で榊原長政の次男として誕生したとされています。
榊原家は、承久の乱の功績で三河国の守護に任じられた足利家3代目当主である足利義氏の流れを汲む三河仁木氏の一族でしたが、伊勢国一志郡榊原に移り住んだ時期に榊原と改称したとされています。
榊原康政の系統としては、松平氏譜代家臣の酒井忠尚に使える陪臣の家柄でしたが、家康に見出された事により小姓から徳川四天王の一人に数えられる存在になりました。
ちなみに榊原康政は、13歳の時に徳川家康が一目で気に入って小姓にするほど容姿端麗な少年であったとされています。
榊原康政 徳川家康に気に入られる
榊原康政の初陣は15才の時で、永禄6年(1563年)から翌年にかけて約半年間行われたとされる三河一向一揆になります。
徳川家康がまだ松平氏だった頃の松平氏の家臣は、その多くが一向宗の門徒でした。そのため一向宗側につく家中も多くいる中で、榊原康政は松平氏側について鎮圧に加わりました。
三河一向一揆の戦いの後、榊原康政は家康から「康」の字を貰ったと伝わっています。
それまでは、軽くみられがちだった康政でしたが、この出来事により家康の側近として地位を確立しました。元服時には旗本先手役にも抜擢されています。
その後も徳川家康に付き従い、元亀元年(1570年)の姉川の戦いや元亀3年(1573年)の三方ヶ原の戦いなどで活躍しました。他にも天正3年(1575年)の長篠の戦い、天正10年(1582年)の伊賀越えに付き添ったとされています。また、天正18年(1590年)の小田原征伐や慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いにも参戦しました。
榊原康政 豊臣秀吉を怒らせる
榊原康政は、豊臣秀吉を本気で怒らせて打ち首の危機に陥ったことがあります。
小牧・長久手の戦いにおいて、織田家を乗っ取ろうとした豊臣秀吉に対して檄文(自分の意見を書いて周りを扇動する文)を書き、豊臣秀吉を挑発します。
挑発に乗った豊臣秀吉は、榊原康政の首に10万石をかけました。
その後、徳川家康と秀吉が和平する際、榊原康政は最初の使者として秀吉から指名されます。殺される覚悟で秀吉に会った榊原康政でしたが、秀吉は赦免しました。しかも秀吉は康政の志を褒めて家康が羨ましいと語り官位を与えて祝宴まで開いたそうです。
秀吉にも気に入られた榊原康政は、家康と妹・朝日姫の結納係にもなりました。
榊原康政の最期とは?
榊原康政の晩年は、関ヶ原の戦いに遅く到着してしまった徳川秀忠を傍で支えていた事もあり徳川家康と徳川秀忠の関係修復に尽力していました。
そして、本多正信や大久保忠隣などの老中との対立を避けて上野国館林城で隠居生活に入っていました。
榊原康政は、慶長11年(1606年)に毛嚢炎を患い、59歳で亡くなりました。毛嚢炎は、刺し傷や引っ掻き傷から侵入した黄色ブドウ球菌が引き起こす細菌感染症です。
関ヶ原の戦いで恩があった徳川秀忠は、病に臥せっていた榊原康政に医師や家臣を遣わせたと伝わっています。
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